
犬がつぶ貝を食べても大丈夫?
このようにつぶ貝を犬に食べさせたい飼い主さんも多いのでは?
今回は、犬に食べさせるつぶ貝の適切な量・頻度・メリット・注意点について解説します。

この記事の監修者
福田 祥子
ブリーダー歴:30年
繁殖犬種;10種以上
繁殖頭数:3,500頭以上
株式会社プレジールケンネル代表として犬の繁殖業を務めつつ、巣立っていった子犬たちのアフターケアとして相談やトレーニングも携わっている。
【結論】犬につぶ貝を与えても問題ない!

コリコリとした食感と濃厚な旨味が特徴のつぶ貝は、種類によって異なりますが、主に夏から秋にかけて旬を迎える貝類ですよ。
豊富な高タンパク低脂質な上に、タウリンなどの栄養が含まれており、愛犬の健康をサポートしてくれるメリットがあるんです。

必ず加熱すること、そして唾液腺などの危険な部位に注意するなど、いくつかの確認事項が必要
つぶ貝の健康に役立つ栄養素は?
- タウリン 必須アミノ酸に似た成分で、心臓の健康維持をサポートし、肝機能のサポートにも役立つことが知られています。
- たんぱく質 高タンパク低脂質なので、愛犬の筋肉や皮膚、被毛など、体のあらゆる組織を作る元となる重要な栄養素です。
- ビタミンE 強力な抗酸化作用を持ち、老化の原因となる活性酸素から体を守り、免疫力を維持するのをサポートしてくれますね。
【表】つぶ貝100g当たりに含まれる主な栄養素
| 栄養素 | 重さ・量(生) |
| カロリー | 82kcal |
| 水分 | 約78.2g |
| たんぱく質 | 17.8g |
| 炭水化物 | 2.3g |
| 灰分(ミネラルなど) | 1.5g |
| 脂質 | 0.2g |
どんな犬が食べるべき?

うちの犬はまだ若いけど、食べさせた方が良い?
つぶ貝は高タンパク低脂質な上に、タウリンなどの栄養素を含むため、体重管理をしたい犬や、心臓の健康維持をサポートしたいシニア犬に特におすすめしたい食材です。
ただし、アレルギーのリスクや毒素の問題がありますから、安全性を優先し、普段の食事にこだわりを持つ飼い主さんがご褒美として少量与えるのが良いでしょう。
どんな時に食べるべき?

定期的に食べさせる食材なの?
つぶ貝は高タンパク低脂質で栄養価も高いですが、アレルギーや毒素のリスクを考慮すると日常的な食材にはせず、お祝い事や季節のご褒美として少量を与えるのが適切です。
特に旬の夏から秋にかけては身が締まって美味しくなりますから、その時期に愛犬にも季節の恵みを少しだけ分けてあげましょう。
犬が食べるつぶ貝の適切な量と頻度

【サイズ別】犬が食べるつぶ貝の適切な量
あくまでご褒美として、一日の必要カロリーの1〜2%以内に抑え、以下の量を参考にしてくださいね。
| 犬のサイズ | 体重の目安 | 1日の適量(目安) |
| 小型犬 | 〜5kg未満 | 3g程度(小指の爪サイズ) |
| 中型犬 | 〜10kg未満 | 5g程度(親指の爪サイズ) |
| 大型犬 | 20kg以上 | 10g程度(親指の腹サイズ) |
犬に与えるつぶ貝の適切な頻度は?

うちの子にはどれくらいの頻度であげるべき?
つぶ貝は毒素やアレルギーのリスクがあるため、週に1回未満の頻度で少量ずつ与えるのが適しています。
特に旬の時期のつぶ貝は栄養価が高く、ご褒美として季節の贅沢を楽しんでもらう程度に留めるのが最も安全な方法ですよ。
つぶ貝に関するQ&A

シニア犬がつぶ貝を食べても大丈夫?
シニア犬につぶ貝は与えても大丈夫ですが、消化機能の衰えを考慮し、ごく少量(目安量の半分以下)を月に1回程度に留めてください。
必ず毒素を含む唾液腺を完全に除去し、完全に加熱した上で、細かく刻むかペースト状にして与えましょう。
子犬がつぶ貝を食べても大丈夫?
子犬に貝類を与えるのは、離乳が完了し、消化器官が十分に発達してからにしましょう。
量や頻度は絶対に避けるか、ごく少量をお試し程度に抑え、必ず毒素の唾液腺を完全に取り除き、加熱・細かく刻んで与え、特に下痢やアレルギー症状が出ないか慎重に観察してあげてください。
調理方法にコツはありますか?
つぶ貝を与える上で最も重要なのは、唾液腺(アブラ)という毒素を含む部位を完全に取り除くことなので、調理前に必ず貝の奥にあるクリーム色や白色の塊を探して除去しましょう。
次に、食中毒の危険を避けるために、必ず中心部までしっかりと加熱してから与えてください。
加熱後は、犬が消化しやすいように細かく刻むか、フードに混ぜやすいようにペースト状にすることが大切になってきます。
犬がつぶ貝を食べる際の3つの注意点

毒素を含む唾液腺(アブラ)を必ず除去してください
つぶ貝の唾液腺(アブラ)には、テトラミンという神経毒が含まれている可能性があり、犬が摂取すると麻痺や痙攣、嘔吐などの中毒症状を引き起こす非常に危険な部位です。
この毒素は加熱しても分解されないため、必ず調理前に貝の奥にある唾液腺を完全に除去してから与えてください。
この工程こそが、つぶ貝を安全に与えるための最重要ポイントになってきます。
必ず加熱しアレルギーに注意してください
貝類は生で与えると食中毒や消化不良のリスクが高まるため、必ず中心部までしっかりと加熱してください。
また、つぶ貝は高タンパクな食材であり、犬によっては食物アレルギーを引き起こす可能性が考えられます。
初めて与える際はごく少量から試して、皮膚の赤みや痒み、下痢や嘔吐などの症状が出ないか慎重に観察してあげてください。
与えすぎると下痢や消化不良の原因になります
つぶ貝は高タンパクで低脂質というメリットがあるものの、愛犬の消化器官に負担をかける高カロリーなおやつとして捉えるべきです。
過剰に与えすぎることで、消化不良による下痢や、高タンパク質摂取による腎臓への負担が増す弊害が生じる可能性があります。
与える量はごく少量に留め、日常的な食事ではなく特別なご褒美として活用するのが最も大切になってきます。
まとめ
今回は、犬に食べさせるつぶ貝の適切な量・頻度・メリット・注意点について解説しました。
愛犬の健康的で安全な食生活のために、この記事が役立ちますように!


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